土地を売る際は、必要な書類や手順を理解しておくと成功につながりやすくなります。また、土地売買ならではの注意点やコツについても知っておきましょう。この記事では、土地を売る前、契約時、契約後の3ステップで、注意が必要な項目をそれぞれ解説します。土地の売却を検討している人は参考にしてください。
目次
土地を売るのに必要な要件と書類
土地を売るために必要な要件は、下記のとおりです。
・登記簿謄本の所有者が売主名義になっているか
・「権利証」または「登記識別情報通知書」、「実測図」、「土地を購入したときの売買契約書」の3点がそろっているか
・「確定測量図」があり、境界は確定しているか
上記の点を備えるためにも、各書類を準備したうえで土地の売却手続きを進めましょう。
土地を売るまでの流れと手続き
土地を売るまでの流れと手続きは、下記のとおりです。
土地の査定
土地を売る際には、まず査定を行いましょう。もし確定測量図がなく、境界が確定していない場合は、測量する必要があります。
土地を査定してもらう際には、複数の不動産業者へ依頼しましょう。不動産業者には、得意分野・不得意分野がそれぞれあります。土地の査定が得意分野でない業者に依頼した場合、査定額が適切でないかもしれません。複数の業者へ依頼して、適切な査定額を見定めましょう。
媒介契約の締結
土地を売る場合は、不動産会社に仲介してもらうか、不動産会社が直接買い取りをするかの2パターンが主流です。
不動産会社に仲介を依頼する場合は、査定金額に納得した時点で媒介契約を締結します。売却までにおおよそ3か月ほどかかります。
不動産会社に買い取ってもらう場合は、即売却できる点がメリットです。ただし、売却額は、市場価格の6割~7割程度になります。
売買契約の締結
買主から条件が提示されたら、互いに売買契約書を交わします。売買契約書には、売主と買主の押印が必要です。
売買契約を結ぶ際には、買主から10%程度の手付金を受領します。残金は1~2か月後の引き渡し日に受領し、書類や確定測量図などを渡します。
土地を売るときに必要な費用・手数料
土地を売るときに必要な費用および手数料は、下記のとおりです。
・測量費用:35万円~45万円
・仲介手数料:売却価格×3%+6万円+消費税
また、古い家屋を解体する場合は、100万円前後の費用が必要となります。ローンが残っている場合は一括返済が必要となるため、繰り上げ返済手数料が1万円~3万円程度かかります。
土地を売るときに必要な税金
ここでは、土地を売るときに必要な税金について解説します。
印紙税
土地を売る際には、印紙税が必要です。また、記載金額が10万円以上で令和6年3月31日までに作成された契約書の場合は、軽減措置が適用された印紙税となる点を押さえておきましょう。
印紙税の契約金額別の価格は、下記表のとおりです。
契約金額 | 印紙税 | 印紙税(軽減税額) |
---|---|---|
10万円~50万円以下 | 400円 | 200円 |
50万円~100万円以下 | 1,000円 | 500円 |
100万円~500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円~1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
1,000万円~5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5,000万円~1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
譲渡所得税
土地売却で利益が出た場合は、その利益に対する譲渡所得税と住民税を支払う必要があります。利益を計算するために必要な譲渡所得金額(買主から受け取る金額)の算出式は、下記のとおりです。
課税譲渡所得金額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額(一定の場合)
また、税率は物件を所有していた期間によって異なります。売却年の1月1日までの所有期間が5年以下の場合は39.63%、5年超えの場合は20.315%です。
【売る前】土地を売るときの注意点
ここでは、土地を売る前の注意点について解説します。
ローンを組んでいる場合は売却前に完済する
土地を売る前、ローンを組んでいる場合は売却前に完済するようにしましょう。
ローンが残っていても土地を売ることは可能ですが、残債の完済が必要です。完済していない場合には、ローンの保証として土地に設定された抵当権が残るため、買い手が現れることはないでしょう。
相続した土地を売る場合には相続登記が必要
土地を売る前には、その土地を相続によって得たのかどうかを確認しましょう。
相続した土地の場合、土地の名義人を変更していないと売ることはできません。相続登記は令和6年4月1日から義務化されるため、この点も押さえておく必要があります。
相続登記を申請する場合は、登録免許税の支払いが必要となります。
確定測量図がない場合は測定をする
確定測量図がない場合は、あらかじめ土地の測定をしておきましょう。確定測量図は、土地を売却する際に必要な書類です。測定をして、境界を確定させたことを同書類によって証明しなければなりません。官民境界が確定していないケースの場合は、作成までに時間がかかります。そのため、査定前に依頼しておくのがおすすめです。
【契約時】土地を売るときの注意点
ここでは、土地を売るための契約時に関わる注意点について解説します。
3種類の媒介契約を理解する
契約時には、媒介契約が3種類ある点を理解しておきましょう。3種類の媒介契約とは、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約です。
一般媒介契約は、契約できる不動産会社数が複数である点が特徴です。専属専任媒介契約と専任媒介契約は1社のみですが、状況報告義務がある、指定流通機構「レインズ」への登録義務があるなど手厚い体制がメリットとして挙げられます。
また、専属専任媒介契約の場合は、隣地所有者に声をかけて土地の買主を自分で見つける「自己発見取引」ができない点には注意しましょう。
査定額イコール売却金額ではない
土地を売る際の契約時には、査定額がそのまま売却金額となるわけではない点に注意しましょう。不動産会社による査定額は、あくまで「売れそうな価格」に留まっています。そのため、相場をあらかじめ調べておくことをおすすめします。
また、契約にあたっては、購入希望者と売却価格の交渉が発生します。交渉時に減額希望が出されても対応できるように、少し高めの金額を設定する人も少なくありません。
契約不適合責任に注意
土地を売る際の契約時には、契約不適合責任に注意しましょう。買主に提供した情報と土地の状態が異なる場合は、契約不適合責任に問われます。契約不適合責任を問われた場合、買主は売主から損害賠償を請求されることもあります。
契約不適合責任を防ぐためにも、契約書に「容認事項」として懸念される内容を記載しておきましょう。そのうえで、買主の了承を得て売買すると安心です。
【契約以降】土地を売るときの注意点
ここでは、土地を売る契約を終えた後の注意点について解説します。
所有権移転登記の手続きをする
土地を売る契約を終えた後の注意点は、所有権移転登記の手続きを滞りなく進めることです。土地の登記名義人は、自動的に変更されることはありません。そのため、自ら所有権移転登記手続きをする必要があります。
所有権移転登記は不動産の所有権が移ったことを公示する手続きであり、一般的には代金支払いと同時に行います。買主と売主の双方にて法務局で申請を行いましょう。
利益が出たら確定申告をする
土地の売却により利益が出た場合は、確定申告が必要です。確定申告の時期は、売却した翌年の2月16日から3月15日までの間です。この期間に、間違いなく申告を終えておきましょう。
また、確定申告時には、購入時の売買契約書の写しを提出しなければなりません。売買契約書の写しは大切に保管しておきましょう。
土地売却を成功させるポイント
ここでは、土地売却を成功させるポイントについて解説します。
土地が売れやすい時期は1~3月
土地売却を成功させるためにも、土地が売れやすい時期を把握しておきましょう。土地が高く売れやすい時期は、1~3月の春、次点で9~11月の秋です。1~3月に土地が売れやすい理由は、4月の新年度に合わせて家を住み替えるケースが多いためです。
また、土地周辺で施設や新駅建設などのインフラが整備されるといった、外因的な要因も需要が高まる理由やタイミングとして挙げられます。
土地はきれいに手入れをしておく
土地売却を成功させるポイントは、土地をきれいに手入れしておくことです。
雑草やゴミがある土地は景観が悪いため、買主候補の心象にも影響する恐れがあります。その土地をそのまま購入すると買主が自費で清掃する必要があるため、減額交渉の理由とされてしまう可能性もあるでしょう。
減額交渉の余地を減らすためにも、定期的に手入れをしておくことをおすすめします。
不動産会社をしっかり選ぶ
土地売却を成功させるポイントは、信頼できる担当者のいる不動産会社を選ぶことです。レスポンスの速さ、対応の丁寧さなどの点から、大きな取引を任せられるかどうかを見極めましょう。
また、土地の需要が法人向けか個人向けかなどを含め、条件によって依頼する不動産会社を変える臨機応変さも必要です。
不動産会社の選び方
ここでは、土地売却を任せる不動産会社の選び方について解説します。
適正な査定額を提示する不動産会社を選ぶ
不動産会社は、適正な査定額を提示してくれる会社を選びましょう。あまりにも高い、または低い査定額を提示した不動産会社は選ばないことをおすすめします。
適正な査定額を知るためには、あらかじめ相場を調べておくとよいでしょう。また、提出された査定に対しては、必ず数字の根拠を確認しておくと安心です。
地元に根づいた不動産会社を選ぶ
面積や金額、立地などから考えて、個人が購入する可能性が高い土地を売却する場合には、地元の不動産会社がおすすめです。
地場業者であれば、土地を適正に査定できる力を十分に持っている可能性が高いでしょう。また、地域の実情も把握しているため、売れるまでの期間も短く済むことが多い傾向があります。
まとめ
土地の売却を進める際には、あらかじめ売却手順や必要書類などについて理解を深めておきましょう。もしわからない点や不安な点があれば、専門家に相談することをおすすめします。
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